ボードプロジェクト 過去を紐解き未来に‼

TO.

2014年01月15日 02:51

ここ数年 私T.obataが、サーフボードデザイナー&サーフボードシェイパーとして全身全霊をかけて取り組んでいた事があります。

それは、「THE FUTURE FROM PAST PROJECTS」です‼




これは、過去のサーフボードデザインを見直し、その優れたデザイン(性能=コンセプト)を紐解き、現代のデザインと融合する事で、未来のハイパフォーマンスボードに繋げていく取り組みである。

この試みは、シェイパーとして活動する前から、サーフボードデザイナーとて様々はシェイパー達と少しずつ取り組んではいたのですが、やはり自分が思うような事(やりたい事=欲しいボード)が、自分の思うスピードで出来ない=現代のハイパフォーマンスボードとの融合が自分の思うようには出来ていないのが現状でした。

が、ここ数年 私自身がデザインし それを直ぐに形(シェイプ)にする事が出来るようになってきたので、本当に沢山の過去の名機と言われるサーフボードのレプリカを、自身の考えを+させ形にできるようになりました。

その結果、私達世代のシェイパーが、とうてい知る事ができない様々なサーフボードデザイン(私がサーフィンを始める前のボードデザイン)を知り、同時に私自身がテストパイロットしてるので、頭だけではなく体感も出来ているという事が、シェイパーとしてもサーファーとしても、今後の製作活動をするうえでの知識として、実(頭と体にしみついている)になっていると思います。

今後、このプロジェクトは、世界中のサーフボードデザイナー&シェイパーのリアルタイムな動きをサーチしながらも いい部分は勢力的に取り入れ、今後も、私個人の考え方を大事に(オリジナリティー)し 永遠に続いていくとおもいます。




という事で、現時点で、取り組んでいいる「THE FUTURE FROM PAST PROJECTS」のニューモデル 2014 の中でも 1番分かりやすい MPH(昨年までノーズレス)と言っていたボードの数々をご紹介していきます。


まずは、このボード ( ライダー山田ミッチーの ボード )から↓



このボードは、昨年までは"ノーズレス"と言ってましたが、今年からは「 T.obata MPH Design 」意訳だと、私、小畑がデザインする最先端な船体(ボトムデザイン)です。このボードは、昨年作ったファーストモデルをテストした結果、マイナス要素を改善し、悪い意味での癖をなくし、誰にでも、波のどのポジションにおいても コントロールしやすいようにするのと同時に、この形(アウトライン)が持つ機能性に対してベストなディメーションを見つける事ができので、それが1番大きいです。

プラスアルファー、マテリアルをノーストリンガーのEPSブランクスにする事により、浮力性能のUP(軽さ、俊敏性、反発性、)と、ストリンガーが無いのでボード全体のフレックスが加わります。それはすなわち より波の変化にロッカーが順応するとういこと、そしてフレックスが元に戻る力も加わる(デッキとボトムにカーボンがはいります)ことで、スムーズで伸びのあるターンを体感する事でしょう。

要するに、現時点で、私が提案するMPHでは、ディメンション、デザイン、マテリアル、全てにおいてベストなボード(MPH)なのです。





と言っても、このボードが何であるかを理解出来ていない方がほとんどだとおもうので、簡単に分かりやすくご説明いたします。↓

「半世紀以上前にカリフォルニアのボブ・シモンズというサーファー&シェイパーが、科学的にハイドロプレーニングを理解しサーフボードに応用していたデザインを、現代のシェイパーとともにレプリカで再現しつつ、さらに進化させた物が、ここ数年前からレトロボード好きなサーファーの間で脚光を浴びた ミニシモンズ であり、それをさらにハイパフォーマンスに進化させたのが、ダイニエルトムソンのMPH(モダンプレーニングハル)なのです。そして、その発展系デザインを、世界レベルのサーファー(トムカレン、ロブマチャド、ダイエルトムソン(MPHの発案者でありシェイパー)、ライアンバーチ、ルーカスダグシー、スチァートケネディー)がテストパイロットし 検証しています。そして現時点で、このボードの機能性と可能性を探っている段階といえるでしょう。」

どうでしょう? 多少はお分かりになられましたか???

要するに、私がやってる事は、過去から現代、そして未来に繋がる可能性のある 超ハイパフォーマンスなサーフボードを、このボードの発案者のダニエルトムソンが作った形(ダイアモンド×スクエアな形)からインスパイアーされ、その形を元に、私が考えたMPH(モダンプレーニングハル)を融合することで、より日本の波質にマッチ(機能)するようにモディファイし、私自身も現段階でのベストを探っているのですよ。はい!!







続いてご紹介するのは、私T.obataのテストボードです↓



このボードは上の山田ミッチーのボードが現時点での完成体としたら、まだこれからテストを繰り返すプロトタイプです!!

違いは、ボードのロッカー自体は一緒なんだけど、テールにウイングが入っていないのと、見て分かるとうり、ノーズエリアにスロットコンケープが数本入っていて、センターのコンケープは、そのままテールまで抜けて、最後は、VEEコンケープとショートチャンネルのコンビネーションになっています。



マテリアルは、上のボード同様 ノーストリンガのEPSで、ボトムとデッキにカーボンクロスを入れて、エポキシ樹脂での仕上げになります。



ノーズエリアのデザインにおいては、このようにした理由(理論)はしっかりありますが、それは乗って最終確認しないと正解か?、不正解か? は現時点で分かりません。

ただ一つ言えるのは、波に対してテイクオフの向き(ショルダーの短い波、ショルダーの長い波)を正しく理解しているレベルのサーファーならかなりプラスに機能するはずです。もちろん、そのように片寄ったデザインにするつもりでやってる事ではないので、初心者以外の全てのレベルのサーファーが乗りやすいボードにする事を目標でやっていますから、試乗してレベルを選ばないデザインだと感じれたら、このデザインは正解だと判断し、リリースしていく予定です。



もう少し詳しく説明すると、ストレートでスクエアなアウトラインなので、巻き上げのある波質で波に対して横向きのテイクオフの時にノーズのレールが波に当たるため、テイクオフの時に一瞬巻き上げをくらいます。それを無くす為にノーズエリアのレールを内側にロールすることで、それを回避できるのですが、そうするとボード自体の反応を足の裏で体感する感覚が鈍くなるので、小さくてパワーの無い波質での機敏性や加速性が若干落ちる事になります。



ようは、その性能をキープしつ、マイナス点を埋める為のデザインがこのノーズのデザイン「ダブルVEEトリプルスロットコンケープ」でず。



このデザインにすることで、バンピーな波質でも、VEEハルが波を割って進んで行くので、スタッグする事なく 波のどのポジションからでもベストなターンをするためのきっかけを作りやすくなると同時に、水の流れをいち早くテールに流すので、ターンそのものがハイドロプレーニング現象(ドリフトターン)をおこしやすくしてあるのと同時に、その現象をしっかりコントロールできるデザインにもなっています。



このボードのボトムデザインこそ、私が考える現時点で最高の モダンプレーニングハル デザイン といえるでしょう。

ただし! あくまでもプロトタイプってことでご理解頂けたらとおもいます(笑)





そして、次にご紹介するのは、まだVeeボトムすら出ていない時代(1940~19650年代)に、もうすでに流体力学からハイドロプレーニングを取り入れたサーフボードを作っていたボブ シモンズのオリジナルボードのボトムデザインと、現代の進化系のMPHのスクエアなアウトラインを融合した、私が考える現代版ミニ シモンズです。




このボード【 ネオ シモンズ 5'1"×18"×2'3/8" 】のテストライダーは、T.obata シェイプ オルタナティブ ライン のテストライダーのワクダイこと、和久田大介さん です。

そして、このようなボードに乗ってみたいとリクエストをいただいたので、私の考えていた最新のパフォーマンス系のミニシモンズってことでシェイプしました。



このボードは、モダンプレーニングハル とは違い、本来のシモンズボードの定義でもあるハルボトム(ボトムデザイン)=コンベックスボトム(ボトムがでっぱっているボトム)をしっかり取り入れたボトムデザインです。ある意味オリジナルシモンズそのまんまな感じ!



に、スクエアでパラレルなアウトラインとロールされたレールが特長なデザインです!!



フィンは、ウッドキールフィン(ツイン)を付けるので、本当の意味で、現代版のハイパフォーマンス ミニシモンズ と言えるボードかなっておもいます‼



本来、このボトムデザインは、マッタリ&ゆったり と横のラインで、ヌルっとした感覚で乗るデザインなのですが、このボードは、その感覚を残しつつも、縦のアプローチも可能なボードに仕上げました。(まだ乗ってないのでわかりませんが、理論的にはね!!)

そのために絶対的に必要なのは、ボリューム(厚み)です! 何故ならコンベックスンボトムは、水流を逃がすデザインなので、推進力を出すには、最も基本的な考え方を取り入れる必要があるからです。だからワクダイくんの体重からしたら少し厚い数値になっています。

後は、ターンの最後のプッシュのバックフット(後ろ足重心)になった時に、踏み込めるようにテールエリアのコンケープをディープにし、レールも波に食い込みやすくするために薄目のテーパーなレールに仕上げました。そうすることで、現代サーフィンのライン取りを可能にしつつも、伝統的なシモンズの乗り心地を継承したボードに仕上がっているのです。




とりあえず、今回はこんな感じです。他にも、スクエアなアウトライン(性能)6割に、ノーマルボードの性能3割のMPH(昨年ミチアキがテストし最高の評価を得たボード)と、今期、杢谷ユーキのテスト用としてシェイプした、7割レギュラーボード、3割MPHの性能を落とし込んだボードもあります。

そちらも後日ブログにてご紹介するので、楽しみにお待ちくださいませ。



他にも、バテンス メモリアルボードってことで「スティンガー」もシェイプ済みです。 ほかにも、80年代に活躍したブロンズオージーズの一人 あの天才サーファーといわれた シェーン ホラン が使用していた名機「レーザー ザップ」シングルフィン も、私のフィルターを通して現代風にモディファイしてシェイプしました。このレーザー ザップ もオリジナルシモンズ同様コンベックスボトムを現代風にアレンジしたのでお楽しみに~☆

とにかく2014も皆様を飽きさせる事のないように、面白き事を次々とご紹介していくので、こまめなブログチェック よろしくお願いします。。。















 

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